プレシャスの
こだわり

PRECIOUS PRESTIGEは、株式会社プレシャスが創立100年を機に立ち上げたオリジナルブランドで、

現在では当社を代表するブランドへと成長しました。


代表取締役 佐藤 亘が「プレシャスのこだわり」について語ります。

エキゾチックレザーを
扱うようになったきっかけ

20年以上前のことになりますが、お得意様から依頼がありパイソンとオーストリッチのバッグを製作したことが始まりです。当時これらの革を扱っている業者は少なく、日本はもちろん海外の工場にも足を運び技術力のある革の加工会社を探し回りました。自分のイメージする革がなかなか見つからず最初は大変でした。その過程で爬虫類皮革を扱う会社との出会いがあり、気がつけばエキゾチックレザーの虜になってしまっていたんです。

エキゾチックレザーの魅力

何と答えれば良いのか…すべてにおいて魅かれるのです。特にクロコダイルとガルーシャは輝きの魅力といいますか、魔力を感じるんです(笑) 見ていても触っていても飽きなくて、頭の中に作りたい商品がどんどん浮かんでくる。エキゾチックレザーは、革自体が非常に硬いので加工するのが非常に難しく、専門的な知識や技術が必要です。だからこそ商品として出来上がった時の喜びが大きい。僕はラッキーなことに父が腕利きのバッグ職人だったので、自分の描いたデザインは、父を中心とした職人たちが見事に形にしてくれるのです。それは時として自分のイメージ以上のものになっていて、商品を出荷する際はまるで自分の子供を送り出すような心境になります。

曾祖父、祖父、父から――
4代目として思うこと

曾祖父、祖父ともにがま口の口金を作る職人で、父は現在も現役のバッグ職人です。祖父にはとても可愛がってもらい、工場にあったがま口の工具で良く遊んだものです。父がバッグの製造を始めた時も会社によく行きました。革の匂いが好きで、山積みになっている牛革の上で遊んだりしながら父の仕事を見ていたのを覚えています。そんな家族の影響なのか、僕自身も次第に「モノづくり」をしたいと思うようになり、デザイン学校に進みインダストリアルデザインを学びました。革が身近にあったので、学生時代には椅子やソファなどを作ったりしていましたね。

父の時代はライセンス商品など、良いものを作れば売れる時代だったと思います。しかし、今の時代は単にクオリティが良いだけでは売れません。市場が何を求めているかを敏感に察知しながらデザインや実用性、時代性を反映させた上で、メーカー側から魅力あるプレゼンテーションをしていかなければならないと感じています。その想いすべてを形にしたのが、僕が常日頃から使っているパイソンのトートバッグ です。仕事でもプライベートでも使うことを前提に、ペン入れやポケットなど、使い勝手と収納力に徹底的にこだわりました。構想3年、自分のために作ったものですが、お得意様からも大変好評で今ではPRECIOUS PRESTIGEを代表するバッグになっています。

将来の夢と今後の展開について

エキゾチックレザーは、まだまだ一般的な素材ではありません。だからこそ若い方に気軽に持っていただき、その滑らかで艶やかな極上の素材感を感じていただきたいです。クロコダイルは牛革の10倍の強度があるといわれ、バッグなどにするとお手入れ次第で一生ものにもなり得ます。PRECIOUS PRESTIGEの商品コンセプトは「人生に寄り添うバッグ」です。皮革は年数を重ねるごとに味わい深い変化をもたらします。それは人が歳を重ねるたびに白髪や皺が増えてくるのと同じです。エイジング(経年変化)はエキゾチックレザーの最大の醍醐味だと思います。また、光沢が薄れてしまったクロコダイルは、磨きをかけることで美しい輝きが蘇り、ファスナーやボタンが壊れた場合でも修理が可能です。ご購入いただいた後のメンテナンスにも力を入れ、お客様の人生に寄り添う商品を提供していきたいと考えています。

PRECIOUS PRESTIGEの商品の取り扱い店は、GINZA SIX、そごう横浜店、松坂屋静岡店・名古屋店、大丸京都店・神戸店などです。将来はアジアを中心に日本では東京、名古屋、大阪の直営店3店舗、海外ではバンコクとドバイに出店できればと考えています。仕事柄タイのバンコクに出張に行くことが多いのですが、直行便があるのでクウェートからの旅行客を良く見かけるのです。クウェートの方たちには爬虫類革のバッグが人気で、たくさんの方がデパートや専門店で購入されています。その様子を見ていて当社の技術力を集結したPRECIOUS PRESTIGEの商品ならきっとクウェートの方、さらに中東の方にも満足していただけるのではないかと思うのです。大きな夢ですけど(笑)

モノづくりが僕の原点。これからもお客様が求める商品を追求し続け、妥協することなくオンリーワンとなれる商品を提供するのが使命だと感じています。単なるバッグメーカーではなく、クリエイター集団として「プレシャスな逸品」をお届けしていきたいです。

当社の代表取締役 佐藤 亘のこだわりあるモノづくりに終わりはありません。
今後のPRECIOUS PRESTIGEにどうぞご期待ください。

当社で取り扱う
エキゾチックレザーについて

PRECIOUS PRESTIGEでは最高の製品を作るため、各皮革のなかで品質や表情に一番優れたものを世界各地から仕入れています。また、使用する皮革はすべて最終的な検品、監修を日本で行っています。

特にクロコダイルにはこだわりを持ち、世界のトップブランドが採用するシンガポール最大のクロコダイル革の加工メーカー「ヘンローン社」製の革を使用しています。LVMHグループである「ヘンローン社」のクロコダイル革は、その品質と発色から世界でも最高レベルを誇ります。

PRECIOUS PRESTIGEの強みは、この「ヘンローン社」製クロコダイル革の多彩なカラー展開で、徹底した室温度管理のもと在庫も豊富に確保しています。これだけのカラーバリエーションを在庫しているのは日本でもPRECIOUS PRESTIGEだけで、フランスのH社、LV社とも肩を並べるほどだと自負しています。またシャイニングクロコダイル革は、当社独自の特殊加工技術によって光沢がさらに落ちにくい仕上げとなっています。

主力商品のウォレットは、若いクロコダイルの一枚革から1個だけを作り上げます。センター取りと呼ばれる中央の一番美しい鱗模様が中心にくるよう革を贅沢に使用することで、美しいシンメトリー模様が配置され上品かつ高級感溢れる商品に仕上がります。

爬虫類皮革(エキゾチックレザー)の代表的なものがクロコダイル(ワニ革)で、アリゲーター科、クロコダイル科、カイマン科の3つに分類されます。皮革の中でも最高級品として知られるクロコダイルは、その美しさと希少性から「革の宝石」と呼ばれ、欧米の有名メゾンでも人気の高い素材です。クロコダイルの特徴である表面の凹凸はワニの鱗模様「腑(ふ)」によるもので、四角い模様は「竹腑(たけふ)」、丸い模様は「丸腑(まるふ)」と呼ばれます。腑の配列がバランス良く美しいものほど貴重で高価だとされています。牛革や馬革と比較して何倍もの耐久性があり、お手入れを続けることで長きに渡って使用でき、皮革のなかでも王様的存在です。

仏語でガルーシャ、英語ではスティングレーと呼ばれるエイ革は、循鱗(じゅんりん)と呼ばれるエナメル質の尖った凹凸の鱗を丁寧に研磨することで、まるで宝石を散りばめたような美しい表情が生まれ「海の宝石箱」とも例えられます。1匹に1箇所しかないスターマークが特徴的で、非常に硬質で水に強く堅牢性に優れ、お手入れ次第でその寿命は100年ともいわれます。18世紀のフランスでは国王や貴族が刀や短剣などの装具やファッションにエイ革を使用していたこともあり、それ以来フランスをはじめとするヨーロッパ全土で大流行し、現在も多くのハイブランドで人気の高い素材です。ちなみに仏語の呼称ガルーシャは、当時フランスで活躍したエイ革職人ジャン・クロード・ガルーシャにちなんだものです。またエイ革は、日本でも馴染みの深い皮革で1000年以上前の刀の柄や甲など武具の装飾に使われていました。

個性的な斑紋や鱗模様を持つヘビ革は、総称して英語でパイソンと呼ばれます。表皮には独自の小さな鱗が並び鱗独特の凹凸感がありますが、質感はとても滑らかです。種類によって異なる斑紋の美しさが魅力で、特に主流のダイヤモンドパイソンは全身のダイヤモンド模様が個性的で、装いにアクセントを添えるアイテムとして界中で人気があります。また、ヘビは日本古来より財宝神である弁財天の使いとされ、中国では脱皮することで無限の生命を表し蘇生力が宿っていると考えられています。そのためヘビ革の財布は縁起が良く、財産を増やしていく力があると信じられ現在も人気です。

一般的にリザードと呼ばれるトカゲ革は、ワニ革やヘビ革と同じように人気の高い爬虫類皮革(エキゾチックレザー)です。小さく規則的に並んだ斑紋が印象的で、エキゾチックレザーのなかでも強度がありハードに扱っても長く愛用できる皮革です。脱色後に染色すると発色がよくカラフルなレザーを楽しむことができ、ハンドバッグや靴のヒール、ベルトなどに人気です。トカゲ革はキズが多かったり、ワニ革やヘビ革に比べてサイズが小さいこともあり、パッチワークを利用したデザインも多く、日本では古くから印鑑ケースとして使用されています。

サメは日本近海で行うマグロ漁によって数多く混獲されます。水揚げされるサメの中で最も多いヨシキリザメはサメ革の最高級品といわれており、細やかな網目状のしわ模様「シボ」が特徴です。サメ革はエナメル質で水や傷に強い素材ですが、加工や染色が難しいことで知られます。また、サメ革は古くから日本人に身近な素材です。葬儀などの仏事で使用するフォーマルバッグにはサメ革が使われることが多いのですが、これは動物の革製品が仏教の殺生を彷彿させるため敬遠されるからだそうです。さらにサメ革は、調理道具の「ワサビおろし」としても昔から利用されています。その発祥とは、江戸時代に宮大工が木の表面加工にサメ革を使っていたのをヒントに、ある料理人がワサビを滑らかに細かくおろす道具として使ったことが始まりだそうです。

牛革は皮革のなかでも代表的な革製品としてさまざまな商品に形を変え世界中で愛用されています。使用する部位や牛の年齢により「ハラコ」「カーフ」「キップ」「カウ」「ステア」「ブル」に分類され、用途や風合い、値段などにも違いがあります。中でも「カーフ」は高級な革小物や靴に使用されます。均一な光沢があり、傷ひとつない1枚革が最高級とされています。また、表面加工を施すことにより爬虫類系の模様や網模様などを再現することも可能です。

馬革(ばかく)は牛革と比較すると厚みや強靭性は劣りますが、繊維はやや柔らかく原料皮の面積が大きいという特徴があります。そのため、椅子などの家具製品やレザーウェアとして多く用いられています。臀部表皮下の網状層は緻密な繊維組織を持ち、コードバンと呼ばれます。馬革のなかでも1頭から2枚しかとれない希少なコードバンは、独特の艶と堅牢性に優れ、高級紳士靴やランドセルなどの素材として重宝され、愛用者の多い革です。

山羊革の特徴は肌さわりがソフトで耐摩耗性に優れていることです。表面には、しわ模様「シボ」と呼ばれる独特の美しい文様があります。薄くて強く弾力に富み型崩れしにくいことから、高級靴に使用されることが多い皮革です。大人の山羊革をゴートスキン(ゴーとレザー)、子供の山羊革をキッドスキンと呼びます。

鹿革はしっとりと吸い付くような手触りと質感をもち、耐久性の高い皮革です。通気性のよさから蒸れにくく、ニオイを防ぐという優れた性能を持っています。日本では牛革よりも古くから親しまれてきた革で、奈良時代から刀剣の鞘や、足袋、衣料として利用されてきました。仏教の世界でも鹿革は度々登場し、釈迦が入山した際に纏っていたものが鹿革といわれています。近年ではカメラレンズなどの汚れ落としても広く活用されています。

豚革は硬い毛が生えているため、表面に規則的に並ぶ毛穴痕が特徴です。繊維を構成するコラーゲン繊維は牛革よりもはるかに細く、サンドペーパーによって起毛加工することでスエードとなります。日本において飼育から製造までできる唯一の皮革で、輸出も行っています。毛穴の通気性を活かして、主に野球のグローブや衣料などに用いられるなど汎用性の高い素材で、日本人タンナー(製革業者)の技術が集結された我が国を代表する皮革としても有名です。

オーストリッチと呼ばれるダチョウ革の特徴といえば、羽毛が生えていた後の毛穴跡の丸く突起したクイルマークです。クイルマークは1羽から約40%しか取れず、このクイルマークがきれいに出ているものほど希少性が高い革です。丈夫かつ立体的な構造から柔軟性があり、高級品向け素材としてバッグや財布、レザーウェアなどに幅広く使用されています。また、足の部分の革はオーストレッグと呼ばれ、爬虫類に似た鱗状の模様が特徴です。一羽のダチョウから2枚しか取れない上、使用できる部分も限られるので貴重な素材として知られています。